Lot 15,17,19 and 21 The Industrial Zone of Linh Trung II EPZ, Binh Chieu Ward,
Thu
Duc
City, HCMC, Vietnam
Mon - Fri: 08 AM - 05 PM
Saturday & Sunday --- Close

Nhan Huc Quan (*)
フン王の命日を記念する祝日が、ある月曜の朝に訪れた。街はまるで対照的な二つの表情をまとっていた。外では、夏の強い日差しがいつもより早く照りつけ、アスファルトは車の重みで柔らかくなり、熱気が揺らめいていた。人通りは少ないものの、誰もが足早に動いている――まるで迫り来る暑さから逃げるかのように。木々は静まり返り、葉一枚動かず、強い光がすべてを容赦なく黄金色に染めていた。
私は車を降り、受付の前に立った。自動ドアが開き、そこには静かな境界線があった。ほんの数歩で、外の熱気は消え去る。ロビーには涼しく穏やかな空気が流れ、足音さえも静かに響く。柔らかな光と澄んだ空気――外の世界とはまるで別世界だった。
今日の面談は公式な予定ではない。自分自身のために設けた約束だった。もし来なければ、きっと後悔していただろう。
ロビーには二人が座っていた。工場長のアシスタント――この元作業員にもう一度チャンスを与えてほしいと、何度も連絡してきた人物。そして、その作業員本人。約2年前に退職した人だった。
私は二人に問いかけた。
「それぞれ一つだけ理由を教えてください。なぜ彼を再び迎えるべきなのか?」
沈黙が流れる。
アシスタントが先に答えた。
「彼は、とても責任感のある人です。」
たった一言。しかし、その重みは計り知れない。
作業員は静かに言った。
「仕事は忘れていません。すぐに働けます。」
私は少し間を置いてから言った。
「私の理由は…現在にはありません。」
そして、あの日のことを話した。
炎が屋根から上がったあの昼。
皆が逃げる中で――
「でも、あなたは逃げなかった。」
「消火器を持って、一人で屋根へ向かった。」
もし彼がいなければ、その火は止まらなかっただろう。
「私はあの日から、あなたに恩があります。」
私は静かに言った。
「それは勇気でした。恐怖を超えた責任でした。」
そして最後に――
「私たちはただ従業員を採用するのではありません。組織を守った人を迎え戻すのです。」
外では相変わらず強い日差しが照りつけていた。
しかし心の中には、静かな安堵が広がっていた。
なぜなら私は気づいたからだ。
この社会には、まだ本当の価値を持って生きる人がいるということを。
そして何より――
感謝とは、思い出すことではなく、行動すること。
感謝とは、一時的な感情ではなく、生き方そのものである。
時には、ただの静かな朝が――
誰かの未完の人生を、再び動かし始めることもある。
(*) 新東洋(ベトナム)総支配人
